お金がないから
かつて私は、父親からこのような言葉をよく掛けられていた。
「お金がないなら、お金がないなりに考えて行動をしなさい」と。
当時の私はこの言葉を、「資金を使わずに泥臭く戦うことの肯定」だと受け止めていた。
しかし、今になって改めて振り返ると、必ずしもそうではないケースが存在することに気がついた。
それは、どんな時であるかと言うと、
お金がないなりに考え抜いた結果、巡り巡って行き着くのは「時間」という資産の重要性である。
冷静に考えれば理解できるはずなのだが、多くの人が「お金がないから自分でやります」と口にし、その節約行為を最適解だと誤認してしまう。
これを時給換算で考えると、矛盾が一目瞭然となる。
例えば、一般的な会社員の時給を多めに見積もって2,000円とする。プロに業務を依頼し、1ヶ月で40万円の費用が発生すると仮定しよう。
40万円を稼ぎ出すには200時間の労働が必要であり、これは1日8時間労働換算で25日間に相当する。
ここで生じる問題は、果たして自分が25日間を費やしたところで、プロと同等のクオリティと速度でその業務を完遂できるレベルにまで到達できるか、という点だ。
プロのレベルもピンキリで自称プロもいるから、一概に全部がそうとは言わないが、
当然、プロの技術もピンキリで自称プロもいるので、一概に全部がそうとは言わないが、大半のケースにおいて素人が25日でその領域に追いつくのは不可能である。
であれば、業務はプロに一任し、そこで浮いた25日間を使って「時給2,000円」を1円でも上回る利益を上げる構造を作るべきだ。
目的は目先の利益だけではない。空いた時間で一つでも多くの貴重な経験を積むこと自体に、投資以上の価値がある。
結論として、私の父親が伝えたかった「お金がないときにどう考えて行動するか」という助言の真意は、単なる不使用の推奨ではない。
時給換算を行い、「お金がないからこそ、プロに任せて時間を買う方が圧倒的に早い局面もある」という構造を見抜く思考力を求めていたのだと、今になって強く実感している。
